【ATP/テニス】アメリカの若手達は歴代のレジェンドを超えるための準備期間を終えた。

 

アメリカにはかつて、マイケル・チャン、ジム・クーリエ、アンドレ・アガシ、ピート・サンプラスといった、偉大な男子プレーヤーたちが存在し世界を熱狂させていたが、近年においてはグランドスラムで活躍するアメリカ人選手が長らく現れていない。しかし、そんな長い不作の時代も、あと少しで終わるかもしれない。海外テニスサイトのBASELINEが報じている。

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2021年シーズンを振り返ってみると、ノバク・ジョコビッチが不滅の記録を構築させたことや、ダニーロ・メドベデフがグランドスラム・チャンピオンに上り詰めたこと、アレクサンダー・ズベレフの急速な成長などに主な注目が集まっていたが、その影でアメリカの若手たちは、今後数年間の内にグランドスラムで活躍するための地位をひっそりと確立することに成功した。

テイラー・フリッツは、シーズン終盤にマスターズ1000での初の準決勝進出を果たし、年間ランキング23位、全米No.1の座を獲得した。加えて、ライリー・オペルカは一時トップ20に入り、マスターズ1000での初の決勝進出も果たした。フランシス・ティアフォーも忘れてはいけない。彼は2年連続で全米オープンのベスト16に進出し、ウィーンではタイトルを懸けて自身のキャリア最高の試合を繰り広げた。2021年シーズンの締めくくりに、トミー・ポールがスウェーデンのストックホルムで優勝したことも記憶に新しい。

この4人は、数十年前にアガシ、チャン、サンプラス、クーリエが熾烈な戦いを繰り広げていたのと同じように、お互いの功績に刺激を受けている。そして、彼らは競い会うだけではなく、結束が強く結ばれていて、一緒にランキングを上げていきお互いを応援する準備ができているようにも見える。

さらに、その下の世代の活躍も見逃してはいけない。セバスチャン・コルダ、ジェンソン・ブルックスビー、ブランドン・ナカシマの3人は、ファンからの期待に応え今シーズンの Next Gen Finalsの出場権を獲得した。ブルックスビーは怪我により、この大会に出場することは叶わなかったが、ATPアワードのNewcomer of the Yearに選ばれ、キャリアに花を添える形でシーズンを終えることができた。ブルックスビーの他にも、同胞のマッケンジー・マクドナルドは、ハムストリングの手術からの復帰を認められComeback Player of the Yearを受賞した。

アメリカでは12人の選手がATPトップ100にランクインしており、これは他のどの国よりも多い数字となっている。2003年の全米オープンでアンディ・ロディックが優勝して以来、アメリカはグランドスラムのシングルスで記録的な低迷が続いているが、有望な若手たちの活躍により、彼らの未来は久しぶりに明るいものになっている。

(画像=taylor_fritz)