【海外テニス】シナーが努力家になった理由を明かす「コートに立つ理由はテニスが好きだから」

 

ヤニック・シナーは、ATP界を代表する若手の1人へと成長した。先月21歳になったばかりの彼だが、すでにNext Gen ATP Finalsでタイトルを獲得し、昨年にはATP Finalsに初出場、ツアーレベルでは6勝を果たしている。努力家でも知られる彼だが、このような功績の裏には、幼少期に学んだメンタリティーが関係しているようだ。ATP公式サイトが報じている。

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シナーは、たとえ長く過酷な試合の後だったとしても、しばしば練習コートに足を運び、少しでも自分の潜在能力に近づけるよう、練習をすることで知られている。彼は、自身が掲げる労働理念について以下のように語った。

「親が努力を重ねる考え方を教えてくれたから、その教えをずっと大切にしているんだ。こういうメンタリティーを持っていることを誇りに思うよ」

「母や父と同じような性格の人が好きだし、彼らみたいになりたいと思っている。兄も同じだ。昔からそうだったと思う」

シナーの家族関係はユニークだ。シナーの父ヨハンは、イタリア北東部のオーストリアとの国境に近いセスト・ヴァル・フィスカリーナにあるレストランでシェフを務めており、母親のシグリンデは、そのレストランで給仕をしていた。彼は両親の仕事ぶりを見るために、よくレストランへ通っていたそうだ。

「今はアパートもあるから、母はアパートの掃除とかを手伝っているよ。アパートは祖父と祖母の家と一緒になっているんだ。2人は少し年寄りになってきたから、母が生活を手伝っている」

「僕はいつも、父が働いているレストランへ迎えに行くのが好きだった。彼がどんな風に料理をして、どんな風に働いているのか、ちょっとだけ見ることができたんだよ。面白かった」

シナーは、結果を得るためなら環境の変化も厭わない。今年の2月には、テニス界で著名なコーチであるリッカルド・ピアッティとの長期にわたるパートナーシップを終了し、同郷の先輩であるシモーネ・バグノッツィと、アンドレ・アガシやレイトン・ヒューイットの元コーチであるダレン・ケーヒルをチームに迎えた。

「すべてを変えると、少し違ってくる。新しいことなんだ。少し慣れないこともあったけど、今はだいぶ良くなってきたよ」

「1年はまだ長い。もし目標に到達したいなら、これから良いプレーをしなければいけないのは確かだ。でも、それはわかっている」

「ただ一生懸命に働くこと、そして信じることが大事だと思う。それしか言えない。特に、タフな時期には……。たぶん、悔しい負け方をした時、その翌日にはコートに出て練習しているはずだよ。こういう部分が、時に違いを生むはず」

「コートに立つ理由は、テニスをするのが好きだから。プレーを強制されて行くわけじゃない。テニスをするのが本当に好きだからコートに行くんだよ」

USオープンでは、最大のライバルとなりつつあるカルロス・アルカラスを相手に劇的なフルセットマッチで敗北したシナーだが、間違いなく彼はリベンジに向けてひたむきにハードワークを積み重ねることだろう。今後の成長が楽しみだ。

(画像=https://www.instagram.com/janniksin/)