年間世界ランキングトップ8の選手が集い、世界最高峰の試合が行われるATPファイナルズ。テニスのシーズンの終わりを告げるこのビッグトーナメントは、世界中のテニスユーザーからの憧れの的だ。
そんなATPファイナルズも、近年は世界を代表するトップジュニアの育成の場として、重要な役割を持っている。その重要な役割とは、Nitto ATP Finals Junior Hitting Partner Initiative(ジュニアヒッティングパートナーの取り組み)だ。これはジュニア選手がファイナルズ出場選手と一緒に練習し、お互いに刺激を与えるという取り組みで、今年はスイスのジェローム・キムとアメリカのサミール・バネルジーが招待されている。トップジュニアは世界ランカー達と一緒に練習をして、一体何を感じたのか?ATP公式サイトが報じている。
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ジェローム・キム
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まず、スイスを代表するビッグサーバーのキムは、ジョコビッチと練習をした際、サーブについて詳しいアドバイスを貰ったそうだ。
「ジョコビッチは、ただ早いだけのサーブをコートの奥へリターンすることは簡単だと言っていた。だから試合中に、何度か高く弾むサーブを混ぜるべきだと教えてくれたよ。確かに回転量のあるサーブを打てば、次のショットを打つ時間も稼げるし、サービスゲームも楽になるよね。」
世界一のリターナーであるジョコビッチから、このようなアドバイスを貰えたのは彼にとっても大きなステップアップにつながるだろう。またキムは、ルブレフとベレッティーニの練習中の対応に感動したそうで、以下のようにコメントしていた。
「ルブレフとベレッティーニの性格の良さにはすごいびっくりしたよ。彼らは、自分をただのヒッティングパートナーとしてではなく、一人前の選手として扱ってくれたからね。僕の地元や趣味についていろいろ話すことができて嬉しかった。」
サミール・バネルジー
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バネルジーは、今年のジュニアウィンブルドンで優勝した実力者だ。来年の秋には、あのブライアン兄弟も通っていたスタンフォード大学への進学も決まっている。そんな彼もメドベデフからツアーを巡る上での心構えのヒントを貰えたようだ。
「メドベデフは、ツアーに参加している選手はみんな優秀で、ランキングトップ8位に入っている選手と、トップ200〜300の選手を比較したとしても、テクニックだけで言えば同じレベルだと教えてくれたんだ。毎週しっかりとトーナメントへ向けて準備する大切さが伝わってきたよ。」
今年はグランドスラムを初制覇し、名実共にランクアップしたメドベデフ。キャリア全盛期の真っ只中を歩んでいる彼からツアーの内情を聞けたのは、バネルジーにとってもプラスだっただろう。
「今回の体験は最高だったよ。一流の選手達とプレーできて、彼らの振る舞いや練習内容、試合前の準備とかロッカールームも見ることができて、とても嬉しい。」
ジュニア選手にとって、目指すべき目標を設定することは間違いなくプラスだ。その点において、今回の体験はかけがえのないものになっただろう。いつかツアーレベルで、キムとバネルジーのプレーが見られる日を楽しみに待ちたい。