【海外テニス】シフィオンテクがアメリカの環境を羨む「私の場合お金は父が工面してくれていた」

 

世界女王として君臨するイガ・シフィオンテクは、既に3度のグランドスラムを優勝しており、偉大なキャリアを築いていると言えるが、彼女は子供の頃、プロ選手として活躍できるとは全く思っていなかったようだ。sportskeedaが報じている。

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シフィオンテクは、The Players’ Tribuneに寄稿したコラムで、以下のように語っている。

「私は、テニスの由緒正しき伝統があるような国の出身じゃないから、グランドスラムで優勝したり、世界女王になれるなんて考えたこともなかった」

「もし自分がアメリカ人だったら、子供の頃から夢を持って、プロで活躍する自信も持てたのかもしれない。アメリカには成功した選手が大勢いるし、手本となる人もたくさんいるからね」

「あと、アメリカでは底辺から成功して見せるストーリーが好まれる。そういう環境にするためには、ある種のシステムが必要だよ。もし、それが理解されるならね」

シフィオンテクが台頭する前のポーランド出身選手と言えば、元世界2位のアグニエシュカ・ラドワンスカが挙げられるが、ビリー・ジーン・キング、クリス・エバート、ジョン・マッケンロー、ピート・サンプラス、ウィリアムズ姉妹など、偉大なレガシーが脈々と引き継がれているアメリカに比べると、確かに物足りないかもしれない。

加えてシフィオンテクは、ポーランドには、金銭的な補償など、テニス選手を育成するシステムが整っていないことについても言及した。

「ポーランドには、選手を育成するシステムそのものがないの。選手にとっての条件も悪いし、正直な話お金もない。だから、私の場合は父がいつも工面してくれていた」

「コーチを雇って、練習用のコートを確保するためにお金をつぎ込む事は、決して父にとって簡単なことではなかった。私はこの現状を知ってもらいたい」

ラケットやコート代、ツアーに参加する旅費などを考えると、他のスポーツに比べて参入障壁が高いテニスだが、多くの選手が抱えるハードルを、シフィオンテクも周りのサポートを受けながら、同じように乗り越えて来たのだろう。

現在のポーランドには、シフィオンテクだけでなく、ホベルト・フルカチュという男子トップクラスの実力を持つ選手も存在する。この2人には、ポーランドのテニス界の歴史を改変してしまうような活躍を期待したい。

(画像=https://www.instagram.com/iga.swiatek/)