現役時代は、感情を全く出さずにひたすら相手の弱点を突くプレースタイルから”アイスドール”と呼ばれ、マルチナ・ナブラチロワと共に一時代を築いたクリス・エバート。そんな彼女が今回、メキシコのグアダラハラに新設されたコミュニティテニスセンターのオープニングイベントに出席し、スピーチを披露した。WTA公式サイトが報じている。
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新設されたテニスセンターにはコートが6面あり、メキシコのグアダラハラの中でもテニスをする環境に恵まれない地域に建てられたものだ。メキシコのいろんな人にテニスの素晴らしさを知ってほしいという願いが込められている。こけらおとしの特別ゲストとして招待されたエバートは、この施設の素晴らしさに突いて、このようにコメントしていた。
「多くの子供達がテニスをしたいと思っても、どうしてもテニスというスポーツは多額のお金がかかってしまいます。だから、地域社会と政府が協力して資金援助してくださり、このテニスセンターが建てられたことは、とても素晴らしいことなのです。子供達の夢を叶えるためには、こういう取り組みが非常に大切です。」
エバート自身も、父親がコーチを務めていた公共テニスコートでジュニア時代を過ごしていたこともあり、メキシコの子供達がテニスをプレーできる環境が増えたことに喜びが隠せないようだ。またエバートは、テニスが人生においてどのような影響を与えるか、子供達に向けてアドバイスもしていた。
「テニスは決して、ツアーに参加して世界最強を目指すだけが全てではないの。プレーすることで身体的、精神的、感情的な面で成長することが重要なのよ。もちろん、自分の自信とか、社会性とかもね。テニスは人生を充実させてくれる。」
エバートが紡ぎ出す言葉の1つ1つは、きっと子供達に深く響いただろう。これを機に、将来はメキシコから第二のエバートが誕生するかもしれない。ちなみに、このテニスセンターのセンターコートは、Cancha Chris Evert(クリス・エバート競技場)と名付けられた。
(画像=@Tennis_Majors)