テニス界の伝説的存在であるクリス・エバートが、練習に打ち込む姿勢について批判された昨年の全米女王であるエマ・ラドゥカヌを擁護した。sportskeedaが報じている。
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本当にラドゥカヌは真面目に練習しないのか?
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ラドゥカヌは、2021年のUSオープンで、世界ランク150位ながら1セットも落とさずに優勝し、スポーツ界に衝撃を与えた。当時18歳だった彼女は、予選通過者として初めてグランドスラムのシングルスタイトルを獲得したのだ。しかし、世界ランキング12位まで上り詰めたラドゥカヌは、WTAツアーへの適応に苦戦しており、USオープン後に戦った12試合の内、わずか4勝しかしていない。
そんなラドゥカヌが、SNSで「テニスよりもスポンサーとの契約に重点を置き、練習に集中できていない」と指摘されたことが、テニス界で大きな話題となっている。ラドゥカヌはTelegraphのインタビューで、以下のように反論している。
「私は1日12時間クラブにいるの。だけど、練習に向かう車の中で、ちょっとテニスに関係のないことをポストすると『テニスに集中していない』と言われる。不公平だとは思うけど、私は対処する方法を学び、外部の雑音には少し鈍感になれた」
ラドゥカヌを取材するイギリスのメディアの特徴
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ラドゥカヌの騒動について、ユーロスポーツの取材に応じたエバートは、現代のメディアが持つ攻撃性を例えに挙げて言及した。
「イギリスでスーパースターになることは、選手にとって最もタフなことなの。他のアスリートがたくさんいるアメリカで、スーパースターになることより難しい。イギリスのタブロイド紙を見ると、凄い残酷だと思う。スーパースターになると、メディアは家の前に陣取るようになるし、それは良いことじゃないよね」
「私は過去に、たくさんのイギリス人選手を見てきたけど、成功したら報道陣は容赦無くアスリートを持ちげるし、期待に答えられなければ、応援してくれなくなる」
「エマは、すべてを見事に処理していると思う。彼女は、テニスを最優先にして、懸命に練習している。スポンサーがつくチャンスが訪れた時に、それを断るのは難しいし、彼女の第一優先事項が、自分のゲームを向上させることである限り大丈夫」
昨年のUSオープンの決勝で、凌ぎを削りあったライバルのレイラ・フェルナンデスが、ツアー内で徐々に結果を残しつつある今、ラドゥカヌ本人も焦りを感じている面があるだろう。今の彼女に必要なのは、周りの雑念に左右されない強いメンタルなのかもしれない。
(画像=@emmaraducanu)