シフィオンテクのメンタルコーチが明かすチームの裏事情【新世界女王はレゴブロックがお好き】

 

アシュレイ・バーティの引退に伴い、世界女王になることが確定したイガ・シフィオンテク。彼女は、2年以上にわたってスポーツ心理学者のダリア・アブラモビッチと良好な関係を築いていることでも有名だが、今回はアブラモビッチが、tennismajorsに語っていたシフィオンテクに関する裏情報を紹介させていただきたい。

【関連記事】シフィオンテクのフォアハンドは風を制する【インディアンウェルズ優勝】

シフィオンテクとアブラモビッチは仲が良い

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

Daria Abramowicz(@abramowiczdaria)がシェアした投稿

アブラモビッチは、12年間セーリングの競技者として活躍し、その後10年以上メンタルコーチとして活躍している。シフィオンテクとの関係を始める前は、自転車競技や水泳のナショナルチーム、さらにはチェスの選手などとも仕事をしてきたユニークなキャリアを持ち、テニス界では珍しい存在であることは確かだ。

そんなアブラモビッチは、インタビューの最初にシフィオンテクの練習態度について語った。

Q.一緒に仕事を始めたとき、イガは10代だったみたいですね。そんな若い時から、心理学者と一緒に働くと決めた理由について興味があります。どんな側面があるのでしょうか?

「イガは喜んで練習に打ち込みます。彼女は、トップレベルで成功するために心理学、それもメンタルトレーニングだけでなく、スポーツ心理学全般が重要であることを自覚しています。最悪なコンディションの日でも、彼女は心が広く、物事を処理することができるんです」

「イガは、常に学ぶ姿勢を持っているので、心理学に関する知識を与えたら、効果的な方法を見つけられたのです。彼女のインタビューを聞いていると、私が伝えている考えや知識について触れているはず。それは私の誇りです。イガの大きな特徴は、視野を広げ、知識を高めようとする姿勢にあります」

Q.コート外の日常ではどのような関係を築いているのでしょうか?何気ない雑談がメインなのか、それとも定期的なディスカッションが主なのですか?

「チームのメンバーは、それぞれ自分の役割や専門分野を持っていますが、何よりチームワークが大事です。ワルシャワ(ポーランドの首都)で練習する時は、必ず誰かがボールを渡したり、タオルを渡したり、食事の準備をしたり、車に乗せてあげたりします」

「私たちに関して言えば、たわいもない話もたくさんしますよ。夕食や昼食をとりながらの雑談は、予定された打ち合わせよりも効果的なんです。厳しい指摘もしますが、カジュアルな会話も普通にあります」

シフィオンテクのルーティーン、プレッシャーへの対処法は?

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

Iga Świątek(@iga.swiatek)がシェアした投稿

Q.あなたが、シフィオンテクのコート上でのプレーに与えた影響について教えてください。

「試合の合間に見られると思います。チェンジオーバーのやり方、呼吸の仕方などが多いですね。ポイントの合間に、相手へ背を向け、少し考え、一息ついているルーティーンとかもそうです」

Q.シフィオンテクが全仏オープンで優勝した後、彼女がプレッシャーに耐えるために、いくつかの変化を与えたそうですね。

「パーソナルブランドの構築、マネジメントチームとのコミュニケーション、テニスのビジネス面における意識改革など、オフコートのことに多く取り組みました。これらの分野で安心感を得られれば、テニスや練習、パフォーマンスにより集中することができますから」

「特に、シフィオンテクが今持っているスポンサーやパートナーシップの中で、仕事とリカバリーのバランスを維持することに重点を置いています。時には視点を変えてみることも大切だと思います。夕日を見たり、おいしいコーヒーを飲んだり、そういうことが大切です」

Q.シフィオンテクに「メディアやスポンサー関係の対応は控えたほうがいい」とアドバイスすることはありますか?

「彼女が自分でバランスを見極められるようにアドバイスすることを心掛けています。目標はシフィオンテクが自分を理解して、休むべき時に休むことができるようになることです。基本的には、アスリートとしての自分、自分の心、自分の体のことをもっと知ってほしいと思っています」

シフィオンテクの集中力はレゴブロックが作り上げた

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

Iga Świątek(@iga.swiatek)がシェアした投稿

Q.シフィオンテクの会見を聞いていると「集中力が持続しなかった」「プレッシャーに負けた」という声をよく耳にします。この2つはどのように克服していくのでしょうか?

「常に意識することから始まり、意識することで終わります。何が起こっているのか、なぜ起こっているのかを意識して、それに対応できるようにしなければならない。いくつかのテクニックがありますが、それは私のノウハウの一部なので、教えられないんですけどね(笑)。プレッシャーがかかると、集中力を持続させることが難しくなるのは事実です」

「トップアスリートを相手にする時に大切なのは、認知能力を重視すること、そして緊張やストレスを軽減し、管理することです。試合中にピークに達したければ、回復期間を設けることが非常に重要なのです。体を鍛えるのと同じように、意志の力、集中力、反応速度、注意力、問題解決力、決断力……。これらを養うことにも力を入れるべきなのです」

「シフィオンテクがレゴブロックやパズルをやっている姿を時々見かけるけど、あれは言ってみれば、アナログな昔ながらの癖みたいなものですよね。これらは認知能力を高めると同時に、すべてのテクノロジーから解放される遊びです」

(画像=iga.swiatek)