【WTA/テニス】忙しい人のための2021年シーズンの大阪なおみの振り返り。

 

大阪なおみにとって今シーズンは、光と影が混在する波乱な1年だった。今回はそんな彼女の2021年シーズンを振り返っていきたい。

 

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彼女の今シーズンの始まりは、とても順風満帆なものだった。コロナのパンデミックの影響により2月に遅れて開催された全豪オープンでは、2019年以来となるタイトルを獲得し、去年ココ・ガウフに味合わされた屈辱を見事払って見せた。ムグルサ戦、セレナ戦、ブレイディ戦とタフな試合が続き、決してドロー運には恵まれていなかったが、ライバル達を寄せ付けることなく、全ての試合でストレート勝ちを収めるという圧巻のモンスターパフォーマンスをしてのけた。

 

しかし、春のクレーコートシーズンに入ると、彼女は軽いスランプに陥ってしまう。クレー初戦となったマドリードでは、土居美咲との同胞対決を制し、苦手だったクレーも克服したのかと思われていたが、次の対戦相手であるカロリーナ・ムチョバを相手に4-6,6-3,1-6と惨敗。次の週のローマでもジェシカ・ペグラに6-7(2),2-6とストレートで敗戦してしまい、ファン達からの期待を削ぐ結果となってしまった。そして、2つ目のグランドスラムであるローラン・ギャロスでは、世界中のスポーツ界で論争が巻き起こったあの事件が起きてしまう。

 

なんと彼女は、ローラン・ギャロス開催中の会見を全てボイコットすると宣言したのだ。初戦を突破したにも関わらず、宣言通り記者団の前に姿は表さずに続く2回戦を棄権し、ウィンブルドンまで出場をキャンセルしてしまったので、それに伴い、メディア対応を行う記者団の問題点が炙り出されることとなった。他のテニス選手の中からは「会見も仕事の一部であり、なおみはソフトすぎる」という声も挙がったが、この一連の流れをきっかけにテニス選手のメンタルヘルスの重要性が高まったのも事実だ。彼女の行った行動には意味があったと言えるだろう。

 

その後は、彼女の復帰時期の検討が全くつかない期間がしばらく続いたため、東京オリンピックの出場も危ぶまれたが、聖火ランナーのトリをしっかりと務めコートに復帰。結果はベスト16と物足りなかったが、負けた相手が銀メダルを獲得したマルケタ・ボンドロウソバだったことを考えれば、まずまずの成果だったとも考えられる。

 

そして、本格的なハードコートシーズンに入ってからは、彼女は精細さを欠いてしまった。シーズン最後の試合となったUSオープンの3回戦では、レイラ・フェルナンデスに5-7,7-6(2),6-4という熱戦で敗れ、精神的にも不安定になってしまった彼女は、試合中にラケットを何度も投げつけ、プロのアスリートの姿ではないと多方面のテニス関係者から批判されただけでなく、ラケットスポンサーでもあるYONEXが「大切に作り上げたラケットを粗末に扱わないでいただきたい」という声明までも出す始末に。試合後の記者会見では「今は自分が何をしたいのか考えている段階で、次にテニスの試合をするのがいつになるのかは全く分かりません。」とコメントし、そのままシーズンを終えることとなった。

 

2019年シーズンには51試合に出場したのに対して、今シーズンは24試合に止まってしまった大阪なおみ。彼女が将来、2021年シーズンを振り返ることがあるとすれば、どのように捉えるのだろうか?ツアーを離れた空白期間は、今後の栄光のために必要な価値ある休息なのだろうか?今後の彼女には目が離せない。

 

(画像=@naomiosaka