【ATP/テニス】デルポトロの歴史的勝利7選

 

フアン マルティン・デル ポトロは、出身国で開催されたブエノスアイレスで、最後の試合となるかもしれないプレーをした。彼は、2005年から始まったプロとしてのキャリアの中で、何度も故障に見舞われ、かなりの期間を棒に振ってきたが、それと同時に素晴らしい実力を発揮してきた歴史がある。今回は、デルポトロが戦ってきた代表的な試合トップ7を紹介させていただきたい。

【関連記事】デルポトロが引退示唆した会見を日本一深掘りする【膝の状態は深刻】

【2009年全米オープン準決勝】ナダル戦:6-2,6-2,6-2

デルポトロは、2009年の全米オープンで、当時世界ランキング3位だった伝説のスペイン人プレーヤー、ラファエル・ナダルと対戦した。自身2度目のグランドスラム準決勝となったデルポトロは、フアン・モナコ、ユルゲン・メルツァー、ダニエル・コラーラー、フアン・カルロス・フェレーロ、マリン・チリッチといった過酷なドローを戦い抜いた。

ちなみに、この年のマイアミとモントリオールで行われたマスターズ1000での2試合では、デルポトロはナダルを破っていた。

いざ試合に入ると、デルポトロはナダルを6回もブレイクし、終わってみれば各セットとも2ゲームしか落とさず、5つのブレークポイントをすべて守りきることに成功した。後にナダルは、大会中に腹筋を痛めていたことを明かしているが、デルポトロがグランドスラム初の決勝に進出したときのルースレスなプレーは、今でも印象的だ。

【2009年全米オープン決勝】フェデラー戦:3-6, 7-6(5), 4-6, 7-6(4), 6-2

ナダルに圧勝した後、デルポトロは2009年の全米オープンの決勝で、もう一人の偉大なプレーヤー、ロジャー・フェデラーと対戦した。当時のフェデラーは世界ランキング1位に座位しており、全米オープンを5連覇していた最大の敵だった。

初のグランドスラム決勝となったデルポトロは、フェデラーとの対戦では6戦全敗、わずか2セットしか取ったことがなかった。しかもそれは、この年の全仏オープン準決勝での5セットマッチによるものだった。

第1セットをフェデラーが6-3で奪った後、デルポトロは第2セットを5-3からタイブレークで奪い返した。第3セットは4-3でブレークされた後に失ったが、第4セットはタイブレークで奪い返し、流れを呼び込んだ。

5セットでは2度のブレークに成功し、4時間6分の決勝戦を制して、自身唯一となるグランドスラム・タイトルを獲得した。デルポトロのトレードマークであるビッグフォアハンドは、彼の勝利に欠かせないものとなった。

【2016年オリンピック1回戦】ジョコビッチ戦:7-6(4),7-6(2)

2014年と2015年に、合わせて3度の左手首の手術を受けたデルポトロは、2016年に目覚ましいカムバックを果たした。そんな彼は、リオ・オリンピックのオープニングラウンドで、シーズン4つのグランドスラムタイトルのうち、2つを保持していた世界王者のノバク・ジョコビッチと対戦した。

デルポトロは、ジョコビッチとの14回の対戦のうち、11回敗北していたが、前回のオリンピックである2012年のロンドンでは、3位決定戦でジョコビッチを破った過去もあった。結果的にデルポトロは、ジョコビッチのキャリアゴールデンスラムの望みを再び絶つことに成功した。

デルポトロはプロテクトされたランキングでプレーしていたが、鉄壁のディフェンスを誇るジョコビッチに向かって、32本のフォアハンドのウィナーを放ち、ブレイクポイントを一度も迎えることなく、2セットのタイブレークでジョコビッチに勝利した。当時の世界ランキングは141位だったにも関わらず、トップ選手と渡り合えることを世界へ証明した。

【2016年オリンピック準決勝】ナダル戦:5-7,6-4,7-6(2)

初戦でジョコビッチに勝利し、次にデルポトロが迎えた難関は、第3シードのナダルだった。当時の対戦成績は4勝8敗で、2013年以来の対戦となった。

デルポトロは、最初のサービスゲームからブレイクに成功するものの、2008年オリンピックチャンピオンのナダルは、それを超える2度のブレークで応戦し、オープニングセットを獲得した。しかし、第2セットでは、デルポトロが早い段階でブレークし、その後も優位性を渡すことなく、セットカウントはタイに戻される。

3セットでは、デルポトロが重要な局面でブレイクに成功し、5-4となったが、ナダルはフォアハンドのパッシングショットを軸に反撃を開始。タイブレークまで試合はもつれ、デルポトロが2度目のマッチポイントをものにして激戦を制した。

【2016年デビスカップ準決勝】マレー戦:6-4, 5-7, 6-7(5), 6-3, 6-4

デルポトロは、オリンピックの翌月に開催された2016年デビスカップの準決勝で、マレーと対戦した。当時2位だったマレーは、間違いなくキャリアの中で全盛期と言える実力を持っていた。

デルポトロは、第1セットを先取することに成功したが、第2セットではマレーがブレイクに成功してセットカウントはタイに。第3セットでは、マレーが5-3のビハインドから挽回し、そのままタイブレークを制した。しかし、デルポトロはこの逆境をバネにして、第4、第5セットでは1度もブレークポイントを与えることなく、見事に勝利した。

デルポトロが、5時間7分のマラソンマッチを制したのと同時に、アルゼンチン代表はデビスカップ決勝に進出することとなった。

【2016年デビスカップ決勝】チリッチ戦:6-7(4), 2-6, 7-5, 6-4, 6-3

デルポトロは、クロアチアとのデビスカップ決勝で、またしても国をリードする活躍を見せた。

デルポトロは、当時世界ランキング6位のマリン・チリッチと対戦した。チリッチは第1セットをタイブレークで奪い、第2セットもデルポトロのビッグサーブから2度ブレイクに成功し、セットカウント2-0まで追い込むことに成功する。

しかし、第3セットと第4セットは、デルポトロが反撃の狼煙を上げ、試合を振り出しに戻した。第5セットでは、第1ゲームでブレイクに成功すると、その後にも決定的なブレイクに成功し、見事勝利を掴んだ。

チームの結果としては、デルボニスがカルロビッチに勝利したことで、見事アルゼンチン代表は、初めてのデビスカップ優勝を果たした。

【2018年インディアンウェルズ決勝】フェデラー戦:6-4,6-7(8),7-6(2)

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

Juan Martin del Potro(@delpotrojuan)がシェアした投稿

前週にアカプルコで開催されたメキシコOPで、3人のトップ10プレーヤーを破って優勝していたデルポトロは、当時世界ランキング8位にランクされていた。第6シードだったデルポトロは、アレックス・デ・ミノー、ダビド・フェレール、レオナルド・メイヤー、フィリップ・コールシュライバー、ミロシュ・ラオニッチとビッグネームを次々と退けて決勝に進出した。

タイトルマッチの相手は、当時世界ランキング1位で、ディフェンディングチャンピオンのフェデラーだった。このシーズンにフェデラーは、全豪オープンとロッテルダムで優勝しており、敵なしのシーズンを過ごしていた。

デルポトロは、第1セットの4-5で2つのセットポイントを守ったが、フェデラーにセットを先取された。後がない第2セットは意地で踏ん張り、タイブレークの末にセットカウントをタイに戻す。

運命の第3セットでは、フェデラーが4-4でブレイクに成功し、勝負は決したかのように見えた。しかしデルポトロは、フェデラーのマッチポイントを3回しのぎ、ブレイクバックに成功する。流れがデルポトロ に傾いたタイブレークでは、圧倒的なストロークを見せつけ、見事勝利した。

(画像=delpotrojuan)