テニス界には毎年必ず急激にランキングを上昇させて、将来が期待されるニューフェイスが誕生する。今回は、2021年シーズンに急成長を遂げたビッグムーバー達を紹介させていただきたい。
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海外テニスサイトtennis.comが報じている内容によると、ATPツアーで年末世界ランキングトップ100にランクインした選手の急上昇ランキングは以下の通り。
ATPツアートップ100にランクインした急上昇ランキング
+252: フアン・マヌエル・セルンドロ(341位→89位)
+251:ジェンソン・ブルックスビー(307位→56位)
+225: アレックス・モルカン(312位→87位)
+212:セバスチャン・バエズ(309位→97位)
+138:マッケンジー・マクドナルド(193位→55位)
+120: アーサー・リンダークネッチ(178位→58位)
+109: カルロス・アルカラズ(141位→32位)
+102:ベンジャミン・ボンジ(165位→63位)
+99:ボティック・ファン・デ・ザンシュルプ(156位→57位)
+99:ブランドン・ナカシマ(166位→67位)
アルゼンチンの希望、セルンドロ
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晴れて1位となった20歳のセルンドロには、デルポトロの後継としてアルゼンチンを引っ張っていく活躍が期待されている。彼がここまでランキングを急上昇させた大きな要因は、今年の2月に行われた地元のコルドバOPでのタイトルだろう。当時335位だったセルンドロは、それまでATPツアーの本戦に参加したことがなかったにも関わらず、予選から本戦に出場しそのまま優勝してしまった。ちなみに、ATP初本戦でタイトルを獲得したのは、2004年のサンティアゴ・ベンチュラ以来の記録となる。
古豪アメリカを復活させる若武者たち
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また、このランキングで大きく目立っているのは、新進気鋭のアメリカ勢だ。錦織とプレースタイルが酷似しているマクドナルド、USオープンでジョコビッチを追い詰めたブルックスビー、さらにはネクストジェンファイナルで大きな存在感を発揮したナカシマもランクインしている。ロディックやフィッシュといった名選手が引退してから、アメリカはテニス界で徐々に影が薄くなってきているが、才能のある若手が育ってきているのも事実だ。
ナダルのDNAを継ぐ者
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そして、忘れてはいけないのが、18歳ながら32位までランキングを上げたスペインのアルカラスだ。彼のテニスは少し荒削りなところも見受けられるが、オフェンスの引き出しの多さは若き頃のフェデラーを思い出させる。デビスカップではコロナウイルスの陽性反応が出てしまい、残念な結果となってしまったが、来シーズンでは、マスターズやグランドスラムで少しでも爪痕を残すことが目標になるはずだ。
今シーズンは、ベテラン選手達と若手選手達の世代交代が、急激に押し進められたイメージのある1年だった。メドベデフが「BIG3が引退してもテニス界は終わりじゃない。サンプラスやアガシが引退した時も同じことを論争していただろう?」とコメントしていた通り、テニス界の未来は思った以上に明るいのかもしれない。
(画像=@calcarazinfo)