【ATP/テニス】元世界8位のジャック・ソックがスランプに陥った理由が意外とくだらなかった。

 

ジャック・ソックのストーリーは、間違いなく近年のテニス界で最も奇抜なもののひとつだ。彼は、非常に大きな期待を寄せられていた選手だが、キャリアのピークに到達した途端、誰も信じられないような壮大な挫折を経験した。そんな彼の現コーチである元テニスプレーヤーのアレックス・ボゴモロフ・ジュニアが、Ubitennisのインタビューに答え、ソックがかつてのレベルを取り戻すために、どのように奮闘しているかを語った。

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ジャック・ソックはゴルフばかりして体重が増加していた

 
 
 
 
 
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ジャック・ソックは2017年に世界8位まで上り詰めたエリートプレーヤーだが、2018年にシングルスで深刻なスランプに陥り、2019年には親指の靭帯を損傷して手術を行った後、リズムが掴めなかったのかランキングが急降下した。彼のスランプの原因は一体どこにあったのだろうか?ポゴモロフは以下のように答えている。

「ジャック・ソックが経験した挫折は、テニス界ではごく当たり前のことだ。多くのポイントを獲得したシーズンがあっても、次の年にはプレッシャーを感じるのが当たり前さ。彼の最初の失敗は、2017年末にトップランキングを獲得した後、リラックスしてしまったことだと思う。プレシーズン中に必要なトレーニングをしなかったから、2018年は予想外の負け方をしたんだと感じるよ。その年のソックは自信を失ってしまい、本当にひどい年だった」

加えてソックは、フィジカルを維持することに苦労していたようだ。

2019年の年明けには親指を負傷し、半年間はフィジカルトレーニングに取り組めなかったよ。年末に戻ってきたときには体重が増加してしまい、しかも腰を痛めていた。彼はチャレンジャーで復帰したんだけど、フィジカルは試合が出来るレベルに達していなかったね。全てのポイントを失った時、ソックは真剣に引退を考えていたよ。彼と私が接点を持ち始めた時、ソックにはコーチもいなければ、競技レベルで復帰する予定もなかった。出会えてラッキーだったね」

ポゴモロフは、自信を失っていたソックのキャリアの立て直しを請け負ったわけだが、シーズンが中断したことにより、彼の計画は頓挫してしまったらしい。

「パンデミックの発生により、立てていた計画は台無しになってしまった。シーズンが中断される前の20203月、ソックはインディアンウェルズのチャレンジャーの決勝でスティーブ・ジョンソンと対戦し、久しぶりに自信に満ちた表情を見せ、あの時はインディアンウェルズとマイアミのワイルドカードを受けとれると聞いたばかりだった。しかも、シーズンが中断されている間にソックはゴルフを始め、痩せた体重を増やしていった。年末にはパートナーと結婚したこともあり、USオープンを最後に再び活動を停止することにしたんだ。ここ2シーズンは、トレーニングに継続性を持たせることが非常に困難だったよ。」

ジャック・ソックがスランプを抜け出すためには?

 
 
 
 
 
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ここまでの話を聞くと、ソックが世界トップ10に戻る道のりは、果てしなく遠いようにも思えるが、ポゴモロフが思い描いている今後のプランは、どのようなものなのだろうか?

「私たちが最も力を入れているのは、自信を付けることだ。ソックはメンタルが落ち着いているときは、バックハンドもフォアハンドも完璧にこなすことができるんだけど、自信が持てないときはフォアハンドを多用する傾向がある。この悪い癖については何度も彼と話してきた。ソックが再びリズムを掴むためには、1~2試合は最低でも必要だろう。今年、彼がリトルロックチャレンジャーで優勝できたのは、いくつかの厳しい試合に勝って、それが彼に強い自信を与えたからだよ」

ポゴモロフは、重ねて自信を付ける重要さを強調したが、2022年はソックにとってどのような年になるのだろう?

2022年は彼にとって挑戦の年になると思う。良いトーナメントスケジュールを組めば、高いレベルに戻れるはずだ。1年後の彼の姿を正確に伝えることはできないけど、まず最初の目標は、彼をトップ100に復帰させることだよ。再びトップ10に入るためには、2017年に必要だった以上のものが必要になると言える。今の彼は、より謙虚なプレーヤーへと成長した。チャレンジャーでプレーして、自分よりも弱い相手に敗北したことで、何事も当たり前ではないということをソックは実感したんだ。彼がモチベーションを高めることができれば、再びあのレベルに到達する可能性はあるはずだよ」

ジャック・ソックには復活して欲しい

全豪オープンはスキップし、1ヶ月間のトレーニング期間を設けることを決めたソック。彼はかつてのレベルを取り戻すことが出来るのだろうか?同胞であるアメリカ勢が急激な成長を遂げているだけあり、ソックにはここで今一度、奮起してもらいたいところだ。

(画像=jack.sock)