【ATP/テニス】アルカラスから学ぶ高威力フォアハンド【ストレートアームから生み出される最凶スピン】

 

あるユーロスポーツの解説者は、カルロス・アルカラスのフォアハンドを見て「あれはフォアハンドなのか、それとも稲妻なのか!」と絶叫した。彼のフォアハンドはツアーの中でもトップクラスの威力を誇るが、その理由は何なのだろうか?BASELINEが報じている。

【関連記事】アルカラスを最初に指導したコーチが第一印象を暴露「4歳の時点で父親とラリーしていた」

アルカラスのフォアはセットアップが速い

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

THE COACH(@patrickmouratoglou)がシェアした投稿

アルカラスを敵に回したくない最大の理由は、パワーを兼ね備えたコートカバー力であり、対戦相手は自分が好むゲームを展開することが難しくなる。

彼のようなディフェンスを再現するためには、ストロークの準備を短くする必要がある。セリーナ・ウィリアムズの元コーチであるムラトグルーは、アルカラスのフォアハンドを分析する中で、効率的な動きがパワーの鍵の一つであると強調したことがある。

「彼はフォアハンドのモーションを非常に早く開始する。ボールが地面に着くかなり前に、体の位置を決め、バックスイングを開始するんだ」

「彼の準備は短くてシンプルだ。ボールに備える時間を十分に確保し、遅れを取らないようにしている」

早い展開力が求められる現代テニスにおいて、構えが早ければ早いほどアグレッシブにボールを打つことが出来るようになる。アルカラスのコンパクトなクイックセットは大きな特徴の一つと言える。

アルカラスが強烈なトップスピンをかけられる秘訣

アルカラスがナダルとよく比較される理由の一つとして、クレイジーな量のトップスピンが挙げられる。ムラトグルーは以下のように分析した。

「アルカラスは打つ前に右腕を伸ばし、フォームの最後まで伸ばしたままだ。このように距離を生み出すことで、ラケットスピードも上がる。なぜなら、ウェイトが中心点から離れれば離れるほど、遠心力が働いてラケットが速く動くからだ」

「コンタクトの前に、彼の手首が緩んで下がっているのが確認できるけど、これはボールの下にヘッドを潜り込ませて、クレイジーなスピンを生み出すのに役立つテクニックさ」

アルカラスのスピン量はスタッツ面でも明らかだ。昨年のUSオープンで、彼の大会中のフォアハンドの平均速度は時速78マイル(約155km)を記録しており、平均速度より3マイルも速かったのだ。これは恐るべきことだろう。

必殺技であるフォアハンドとドロップショットに限らず、安定したバックハンドや柔軟なパッシングショット、ペースを変えるロブなど基礎的な技術力も備えているアルカラス。歴史のページを捲る存在とも言える彼のプレーは、今後もチェックしていく必要があるようだ。

(画像=https://www.instagram.com/carlitosalcarazz/)