大阪なおみは全豪オープンのドロー敗者。【初戦から泥沼です】

 

全豪オープン女子のドローが発表された。グランドスラム覇者が13人も参加する今大会の開幕が待ち切れないのは、誰しもが同じだろう。しかし残念なのは、日本のスターである大阪なおみが、ドロー運に恵まれず、困難な戦いが予想されることだ。そこで今回は、そんな彼女の全豪オープンでの展望と、他の注目の初戦を2つ紹介させていただきたい。

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大阪なおみは全豪オープンのドロー敗者

 
 
 
 
 
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ディフェンディング・チャンピオンの大坂なおみと世界No.1のアシュレー・バーティは、ラウンド16で対決する可能性がある。これはお互いに、ドロー運がなかったと言えるだろう。

しかし、困難なドローに配置された2人の中でも、やはり大阪の方が苦しい状況にいると思われる。バーティは1回戦で予選勝者と当たる予定であり、弾みをつけることが予想されるが、一方の大坂の初戦は、注目株であるコロンビアのカミラ・オソリオ(20歳、世界53位)と当たることになってしまったからだ。

オソリオは、先シーズンにWTA250のコパコルサニタスでプロ初のタイトルを獲得するなど、1年間でランキングを約130ランクアップさせた勢いのある選手であり、大阪を倒すだけのポテンシャルは十分に持ち合わせている。大阪にとっては、初戦から気を抜くことができない。しかも、3回戦では東京オリンピック金メダリストであるベリンダ・ベンチッチと当たる可能性もある。

だが、ファンからすると、この状況はとてもウェルカムだ。ドローの早い段階から、レベルの高い試合が見られるのは、テニスファン冥利に尽きる。加えて、地元オーストラリアのスターであるバーティに挑む大阪という構図は、2018年のUSオープン決勝で、大阪がセレナ・ウィリアムズに勝利しグランドスラム初優勝を飾った、あのシチュエーションを彷彿とさせる。

対決の予想としては、バーティの方に分があると思われる。メルボルン・サマーセットで、衝撃的な復活を遂げた大阪だが、タフな試合を連続したことで、腹部を負傷してしまった。これは間違いなくマイナス要因だろう。しかし、バーティにも懸念点はある。それは、地元オーストラリアのファンから寄せられている大きすぎる期待だ。プレッシャーという面では、バーティの方が負荷は大きい。

まとめると、このカードは、シーズン早々気が早いかもしれないが、今シーズンのクラシックマッチとなる可能性を秘めている。パワーテニスの大阪、テクニックタイプのバーティ、この2人はプレースタイルという面においても、対極に位置していることから、激しい戦いになることは簡単に予想できる。これは見逃すわけにはいかない。

注目の初戦:エマ・ラドゥカヌ[17] 対 スローン・スティーブンス

 
 
 
 
 
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イギリスの新星、エマ・ラドゥカヌにとって、今シーズンは証明するべきことが多すぎる。だが、彼女がメルボルンでウォームアップをする余裕はないだろう。何故なら、初戦から元全米女王であるスローン・スティーブンスと対戦するからだ。

スティーブンスは深刻なランクダウン(3位→68位)に見舞われているが、まだ彼女は28歳。前線から離脱するにはあまりにも若すぎる。彼女の過去を振り返ってみると、2013年に全豪オープンでベスト4、2018年に全仏で準優勝、2017年にUSオープンでタイトルを獲得しており、きっかけを掴めば、再び大舞台で暴れられるポテンシャルを持っている。

その一方、シドニーでの開幕戦でリバキナに惨敗した(6-0、6-1)ラドゥカヌは、リズムを掴むことができていない。アブダビでコロナに感染したことは気の毒だったが、もし一回戦で負けるようなことがあれば、世間の目は彼女を一発屋だと見なし始めてしまうだろう。

このカードにおいて、スティーブンスは、復活を証明する絶好の機会となり、ラドゥカヌにとっては、追われる立場として初めてグランドスラムの舞台に立つこととなる。スティーブンスの爆発的なフォアハンドと、ラドゥカヌのコートカバー力、どちらに軍配が上がるのかとても楽しみだ。

注目の初戦:ポーラ・バドサ[8]対アイラ・トムラノビッチ

 
 
 
 
 
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全豪の前哨戦であるシドニーで対戦したポーラ・バドサとアジュラ・トムリャノビッチは、全豪オープンの1回戦で再び激突する。

バドサは昨シーズン、センセーションを巻き起こした選手の1人だ。WTA1000のインディアンウェルズではキャリア最大のタイトルを獲得し、全仏でも準々決勝まで進んだ。先述したシドニーでのトムリャノビッチ戦でも6-3、6-4で快勝しており、下馬評は圧倒的にバドサの方が高いだろう。

しかし一方で、パワフルでアグレッシブなプレーで観客の支持を得ているトムリャノビッチにも注目が集まっている。180cm、67kgと恵まれた体格を持つ彼女は、時々スーパーショットを放ち、周りを驚かせるが、いまだにツアーレベルでのタイトルを獲得したことはない。全豪での最高成績は2回戦までだが、年齢的にも今年はキャリアの展開を左右する重要なシーズンとなってくる。

バドサにとっては、2021年に到達したレベルを維持することが、全豪での使命だ。その点において、トムリャノビッチは不足のない相手と言える。

(画像=naomiosaka)