30秒で分かるキリオスのキャリア振り返り

 

ニック・キリオスは、ツアーで最も才能のある選手の一人として広く認められているが、その才能は、コート内外での彼の型破りな行動が原因となり、時折過少な評価を受けることがある。そこで今回は、彼のこれまでのコート上での最も象徴的な瞬間を振り返っていく。tennisheadが報じた。

【関連記事】キリオスがSNSでファンからの質問に答える「自傷行為をした時もあったよ」

1:2014年ウィンブルドン

当時19歳だったキリオスは、ワイルドカードでウィンブルドンへの出場を果たし、2回戦で第13シードのリシャール・ガスケを相手にジャイアントキリングを起こた。9つのマッチポイントをセーブした2セットダウンからの逆転劇は、彼の知名度を一気に広めた。

しかし、彼の活躍はこれで終わらなかった。この勝利に続き、4回戦では当時世界王者に君臨していたラファエル・ナダルと対戦し、7-6 (7-5), 5-7, 7-6 (7-5), 6-3の接戦を制し、歴史的な勝利を飾ったのだ。

最終的には、準々決勝でミロシュ・ラオニッチに敗れたものの、この年のウィンブルドンは、キリオスのキャリア初期において、最もアイコニックなイベントだったと言える。

2:初のATPタイトル獲得   

2016年2月、キリオスはマルセイユで開催されたオープン13で優勝し、自身初のATPトロフィーを獲得した。決勝では、第4シードで元全米オープン覇者のマリン・チリッチを6-2、7-6(3)のストレートで破っている。

また、彼は、この優勝までの間に、世界ランキング8位だったベルディヒと、同10位のガスケという2人のトップ10プレーヤーも破っており、キリオスのキャリアにおいてこの時期は、ツアー内での存在感が強まっていった期間でもある。

3:2019年アカプルコでのタイトル獲得

2019年3月、キリオスはメキシコ・オープンに出場し、自身5個目のATPツアータイトルを獲得した。次世代王者としての準備期間を終え、当時世界ランキング3位に君臨していたアレクサンダー・ズベレフとの決勝戦では、6-3、6-4と全く寄せ付けなかった。

また、この年のアカプルコでキリオスが倒したビッグネームは、ズベレフだけではない。世界ランク2位だったナダル、同9位だったジョン・イズナー、加えて元世界3位のスタン・ワウリンカもキリオスの前に屈している。特に、対ナダル戦は、3本のマッチポイントをセーブしたこともあり、今でも名勝負として記憶されている。

4:2022年全豪オープン男子ダブルス初優勝

今年1月、キリオスとタナシ・コキナキスによるダブルスペアは、決勝で同郷の先輩であるマシュー・エブデン/マックス・パーセルを相手に、7-5、6-4のストレートで破り、グランドスラム大会初優勝を飾った。

キリオスとコキナキスの優勝までの道のりは、並大抵のものではなかった。第1シードのニコラ・メクティック/メイト・パビッチ、第15シードのアリエル・ベハール/ゴンサロ・エスコバル、第6シードのティム・プッツ/マイケル・ビーナスなど、数々の名プレーヤー達を破ったのだ。ワイルドカードでの出場ペアとしては、異例の記録と言えるだろう。

華のあるプレーと、テニス選手としては斬新な言動で人気を博しているキリオス。今後もコート上に現れた際には、多くのファンが彼を迎え入れるはずだ。

(画像=k1ngkyrg1os)