伝説のテニスコーチである、ホセ・イゲラスは、かつての教え子であるロジャー・フェデラーを称賛し、彼はツアーの誰とも比較できない存在だと語った。sportskeedaが報じている。
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2008年に、フェデラーを短期間指導したことのあるイゲラスは、スイスのマエストロのラケットタッチの素晴らしさを目の当たりにしたそうだ。
「ロジャー(フェデラー)を誰かと比較するのは難しい。彼は、ゲームの進め方やコート外での行動など、すべてにおいてユニーク。ただ彼は、ラケットのストリングスでボールを感じるのが好きで、プレーの実験が好きなんだ」
ピート・サンプラスや、カルロス・モヤといった世界王者を育てた経歴のあるイゲラスも、フェデラーからは他の選手にはない何かを感じ取っていたのだろう。
そして、イゲラスは、フェデラーへのコーチングについても振り返った。どうやら、フェデラーのフォアのドロップショットには、イゲラスの入れ知恵があったらしい。
「ロジャーと初めて会ったとき、彼の試合のテープを午後から夜中の1時か2時まで見続けたんだ。そのとき、彼がクレーコートでフォアハンドのドロップショットを打ったことがないことに気がついたんだ」
「それで、”ロジャー、なぜドロップショットをフォアハンド側で打たないんだ?”と聞いてみた。そしたら彼は、”なぜそんなことをする必要があるんだ?私はビッグなフォアハンドを持っているんだ!”と答えてきたよ」
このように、当初はフォア側でドロップを打ちたがらなかったフェデラー。しかし、ドロップショットの有効性にいち早く気付いていたイゲラスは、熱心にフェデラーを説得したと話している。
「だから、ドロップショットの利点について話をしたんだ。ドロップは攻撃的ではないと思われがちだけど、非常に攻撃的なショットさ」
「ベースラインより、かなり後ろに下がって対戦するプレーヤーを想像してみるんだ。君には、ダウン・ザ・ラインかクロス・コートのフォアハンドの2つの選択肢がある。だけど、もし3つ目の選択肢があれば、相手はポジションを変えざるを得なくなる」
「説得した後は、彼がそのショットを使い始めるのに、それほど時間はかからなかったよ」
今でこそ、フェデラーのドロップショットはオーソドックスなショットへと変貌しているが、根底にはイゲラスのアドバイスが根付いてたようだ。彼のプレーが見られなくなって久しいが、再びフェデラーのドロップショットが見られる未来が来るのを待つばかりだ。
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(画像=rogerfederer)