マッテオ・ベレッティーニと言えば、196cmの鍛え抜かれた肉体から放たれる高速サーブが代名詞だ。しかし彼のサーブはただ早いだけでなく、繊細に精密に効果的に打ち分けられており、スピリットステップした対戦相手をベースラインに釘付けにさせる。そんなツアー屈指のベレッティーニのサーブだが、ATP公式サイトが報じた内容によると、彼はプレッシャーが強くかかっている時ほどサーブの真価を発揮するタイプらしい。今回はそれを証明したあるスタッツを紹介させていただきたい。
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そのスタッツとはInfosys ATP Beyond The Numbersに載っている「Under Pressure On Serve(プレッシャー下でのサーブ)」というデータだ。これはデュースまでのポイントスコアで相手にリードされている時、どれだけの確率でサーブゲームをキープできるのかを分析したものであり、ベレッティーニは0/15、0/30、0/40、15/30、15/40、30/40全てのスコアでキープ率がトップ3に入った唯一の選手であることが分かっている。
0/15からのサービスキープ率(ツアー平均=62.3%)
1位 J.イズナー – 84.3% (113/134)
2位 M. ベレッティーニ – 80.4% (176/219)
3位 N. ジョコビッチ – 76.0% (171/225)
3位 R. フェデラー – 76.0% (38/50)
0/30からのサービスキープ率(ツアー平均=36.9%)
1位 N. ジョコビッチ – 61.5% (48/78)
2位 M. ベレッティーニ – 61.3% (38/62)
3位 S. ツィツィパス – 59.1% (52/88)
0/40からのサービスキープ率(ツアー平均=15.3%)
1位 M. ベレッティーニ – 38.1% (8/21)
2位 J. イズナー – 36.4% (4/11)
3位 G.ディミトロフ – 35.7% (5/14)
15-30からのサービスキープ率(ツアー平均=55.7%)
1位 M. ベレッティーニ – 73.3% (99/135)
2位 R. フェデラー – 72.5% (29/40)
3位 J. イズナー – 72.5% (58/80)
15/40からのサービスキープ率(ツアー平均=27.2%)
1位 D. シャポバロフ – 51.4% (37/72)
2位 A. ポピリン – 46.7% (28/60)
3位 M. ベレッティーニ – 46.3% (25/54)
30/40からのサービスキープ率(ツアー平均=44.8%)
1位 M. ベレッティーニ – 61.8% (63/102)
2位 D. シャポバロフ – 59.8% (76/127)
3位 R. フェデラー – 58.8% (20/34)
今シーズンのベレッティーニは、左太ももや腹筋の怪我に見舞われたものの、年末ランキングは7位と安定した成績を残した。そして、彼の安定した試合運びの根本には絶対的なキープ率を誇るサーブがあり、サーブに自信を持てる選手はメンタル面でも優位に立てることが多い。来シーズンもベレッティーニは、その強烈なサーブを基盤にツアーで存在感を放ち続けることだろう。
(画像=matberrettini)