ATP

【海外テニス】ジョコビッチが幼少期の苦労を語る「毎朝5時に家族全員分のパンを買いに行っていた」

 

晴れて2023年全豪オープンを制覇したノバク・ジョコビッチ。現在は多くのファンから羨望の眼差しを向けられる彼だが、戦争下のセルビアで育ったジョコビッチにとって、幼少期は苦労の連続だったようだ。sportskeedaが報じている。

【関連記事】ジョコビッチが若手選手へ警告「私とナダルは君達のキャリアを少し狂わすかもしれない」

Sony Sports Networkに登場したジョコビッチは、元プロ選手であるソムデブ・デブバルマンとのインタビューに臨み、以下のような質問を投げかけられた。

「（中略）また、あなたと奥様のエレナが長年にわたって運営しているノバク・ジョコビッチ財団がありますよね。セルビアや世界のどこかで洪水が起こると、ノバク・ジョコビッチがサポートする。オーストラリアで火災が発生した時も、ノバク・ジョコビッチはサポートする。ウクライナが支援を必要としている時に、スタホフスキー（ウクライナの元プロ選手）が援助を求めても、ノバク・ジョコビッチはサポートする。募金を必要としているところに、必ずノバク・ジョコビッチの名前があるんです」

「しかし、どういうわけかあなたは、世界のある一部の人達から、正当な評価をもらえていないと思うのです。私が質問したいのは、なぜここまでのことをするのかということです」

ジョコビッチはまず、デフバルマンからの賛辞に感謝し、次のように答えた。

「ソムデフ、私のこと、そして私がやってきたことについて、これほどまでに素晴らしいことを言ってくれた人はいなかったと思う。温かい言葉をかけてくれて心から感謝しているよ」

「まず、名前を宣伝したいからするんじゃない。恵まれない人たちを助けたい、そばにいたいと思ってやっているんだ。私は90年代のセルビアを生きてきた。2つの戦争を経験し、6年間は経済制裁を受けていたような国だ。4年間、セルビア人選手は一人も国外に出ることが許されず、国際大会に出場することすらできなかった」

「私は子供の頃、毎朝5時にパンと牛乳を買うために何百人もの人と祖父と一緒に列に並び、家族5～6人が食べる1日分のパンを買いに行っていたんだ。恵まれない人たちの気持ちはよく分かる」

「自分が持っているもの、恵まれているもの、人生や神から与えられたものすべてに感謝することは、私にとってとても大事なことだし、より尊重されるべきことだと思う」

コロナ渦に決行したアドリア・ツアーを始めとして、時に強いバッシングを受けてきたジョコビッチだが、故郷のセルビアに保育園を建てるなど、彼がもたらしているポジティブなエネルギーは計り知れない。左ハムストリングの怪我により、復帰戦のスケジュールは未定とされているが、今はゆっくりと体を休め、優勝の余韻に浸ってもらいたい。

(画像＝https://twitter.com/AustralianOpen)

カテゴリー