【WTA/テニス】元世界4位のジョアナ・コンタが引退を決断。「ラケットをしまおうと思ったら涙が出てきた」

 

過去に活躍した名選手が引退を表明する瞬間ほど切ないものはないが、この度イギリス出身の元世界4位のジョアナ・コンタが引退を表明した。

 

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1984年以来、イギリス人女性として初めて世界ランクトップ5にランクインし、アンディ・マレーと共に国のヒーローとなったコンタだが、30歳となった今では膝の怪我の問題もあり、コート上で最高の力を発揮できないと実感したそうだ。

 

「ツアーに参加することは私にとって、自分の感情、メンタル、フィジカルの健康を維持することがとても重要なの。もしプレーに痛みが伴うようなことがあっても、自分自身を納得させるエネルギーがあれば私はプレーしていた。でも、私はそのエネルギーを使い切ってしまった。一度、自分にはできないと実感してしまうと、再起することは難しい。もう自分の力を出し切ることはできないの。」

 

おそらくコンタにはまだ、テニスコート上で戦いたいというモチベーション自体はあるのだろう。しかし、プレーすることによって生まれる犠牲と価値を天秤にかけた時、彼女には犠牲の方が勝ってしまったようだ。コンタは引退を決断した瞬間について、以下のように語っている。

 

「USオープンで負けて帰ってきた時、引退の決断が近づいていると感じたことを覚えている。ラケットをしまおうと思ったら、涙が溢れてきたの。決断したのはその時ね。」

 

コンタは2016年の全豪オープンでベスト4に進出し、世界的な注目を集めた。その翌年にはウィンブルドンでベスト4、2019年にはローランギャロスでもベスト4と、サーフェスの違いを気にせずにマルチな活躍ができる希少なタイプの選手だった。特に、彼女のキャリアのハイライトは2017年のマイアミOPだろう。シモナ・ハレプ、ヴィーナス・ウィリアムズ、キャロライン・ウォズニアッキといった当時のツアーを席巻していた強豪をなぎ倒し、見事タイトルを獲得して見せた。

 

イギリスには現在、エマ・ラドゥカヌという10年に1人の逸材が存在する。コンタはそんな若いイギリス人選手達が通るべき道を、自らの力で切り開いてみせた。もし叶うのであれば、指導者という形でコート上に戻ってきてもらい、その知見と経験を後世に伝えていってもらいたいものだ。

 

(画像=@JohannaKonta