【WTA/テニス】ラドゥカヌがウィンブルドンを優勝するのは不可能?彼女が抱えている問題点とは

 

2022年にエマ・ラドゥカヌがどんな活躍をするのか?これほど明確で、魅力的なトピックはないだろう。史上初の予選出場者からの全米オープン優勝を達成した選手なだけに、彼女への期待度は非常に高く、テニスが誕生した土地であるイギリス出身でもあれば尚更だ。では実際に、彼女が来シーズンで求められている活躍はどんなものなのだろう?1987年のウィンブルドン優勝者であり、現在はワン・チャンのコーチを務めるパット・キャッシュによれば、それは“自分の価値の証明”なのだそうだ。 イギリスのメディアExpress.co.ukが報じている。

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レジェンドであるキャッシュが特に注目しているのは、ラドゥカヌの前例のない活躍が偶然ではないのかどうからしい。彼は以下のようにコメントしている。

「ラドゥカヌの大きな課題は、再び大きな勝利を手にすることと、自分自身の能力が一日限りのものではないと証明する事だ。技術的には明らかな弱点がないから、プレッシャーに負けないようにしないとね。彼女は優れたアスリートだよ」

ラドゥカヌがニューヨークで行ったようなレベルのプレーは、誰にでも手が届くようなものではない。予選から出場した彼女は、大会全体で1セットも落とさず、ほとんど苦戦することもなかった。しかし、WTAツアーという過酷な状況下では、メンタルの弱い選手がトランス状態になり、普段の実力を出せずに敗退することも日常茶飯事だ。そしてキャッシュは、ラドゥカヌが自国であるイギリスでプレーする際には、抑えきれないほどのプレッシャーがかかると予想している。

「私が現役の頃は、地元であるオーストラリアから離れた場所だと、いつもより良いプレーができた。ホームコートでは大きなプレッシャーがかかるんだよ。ラドゥカヌが優勝した時のUSオープンには、今後ウィンブルドンで彼女が感じるであろうプレッシャーは存在しなかった。今年の彼女はニューヨークで連覇を目指さなければいけないけど、ウィンブルドンを制覇するのは簡単じゃないと思うよ」

最近のラドゥカヌは、イギリスの大手航空会社であるBritish Airwaysや、大手飲料メーカーのevianとスポンサー契約を結んだ事からも分かる通り、メディアやスポンサーとの交流にかなりの時間を割いているように思える。本人はその事について「スポンサーやメディア関係のマネジメントは家族やマネージャーに全て任せているの」と語っていたが、テニスと向き合う時間は作れているのだろうか?貴重な逸材なだけに、プレッシャーに押し潰されないよう気を付けてもらいたい。

(画像=emmaraducanu)