【ウィンブルドン】引退間際だったセリーナが見せた復活劇を振り返り【海外記事紹介】

 

セリーナ・ウィリアムズがウィンブルドンのセンターコートに舞い戻った瞬間、現地のファンは暖かい拍手と声援で彼女を迎え入れた。絶望的な足の怪我から復帰を果たした彼女だが、今回はtennis.comの記事を元に、セリーナの復帰戦を振り返っていきたい。

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セリーナとロッド・レーバーの共通点

セリーナがハーモニー・タンに喫したフルセット3時間の敗戦は、おそらく彼女の名勝負の中にランクされることはないだろう。しかし、ファンたちはセリーナが再びプレーを見せてくれたことに安堵感を覚え、フットワークは重く見えたが、40歳とは思えないガッツ溢れるショットの数々に懐かしさすら覚えたはずだ。

そして、今となっては違う角度の視点からセリーナは話題となっている。それは今後のキャリアがどうなるかということだ。振り返ってみると、彼女の復帰の仕方は、1977年に39歳の誕生日を1カ月後に控えたロッド・レーバーが、ウィンブルドンのセンターコートで引退を迎えた時とシチュエーションが似ている。

ウィンブルドンで4度の優勝を誇るレーバーは、1971年以来ウィンブルドンに出場せず、メジャー大会にも2年間出場していなかった。しかし、ウィンブルドンが迎えた100周年記念を祝うために、コートへ戻ってきた。結果的に彼は、2回戦まで勝ち進み、同じ週には将来のレジェンドである18歳のジョン・マッケンローがウィンブルドン・デビューを果たしている。

40歳のセリーナが見せた圧巻のプレー

セリーナは、タンに対して61本のウィナーを放ち、54本のミスを犯した。彼女がオーソドックスなスロースターターなのはキャリアを見ても明らかだが、本人曰く、今回の敗戦にはスタミナ切れも関係していたようだ。

「私は最後の2つのポイントで本当に苦しんでいた。あなたが知っているように、3時間を超える試合に備えた練習をしていなかったからね。そこがいけなかったんだと思う」

しかし、スタートからフィニッシュまでの間、セリーナはファンたちが思い描いていたよりも、明らかに動きが良かった。彼女が、12カ月前に全く同じコートで転倒して以来、シングルスの試合をしていなかったとは思えない動きだったのは間違いない。セリーナがいくら怖いもの知らずとは言え、センターコートで復帰する道を選んだタフさには驚いた人も多いだろう。

プレーの内容もプレッシャーを全く感じさせないものだった。T字への強烈なサーブ、クロスコートからのフォアハンドリターン、パワーを活かしたスイングボレー、そして聞いているファンたちのアドレナリンすら呼び起こす雄叫び。セリーナのパワフルなスタイルはいつ見ても飽きる事はない。

セリーナは現役を続けてくれるのだろうか?

セリーナは現役を望むだろうか?これまでに彼女が成し遂げてきた記録を鑑みれば、グランドスラムで24回目のトロフィーを掲げなくても偉大な選手であることに変わりはない。しかし、敗退したとは言え、可能性が有る限りチャレンジして欲しいのはファンの総意だろう。

ウィンブルドンのセンターコートが建設されてから、今年で100年が経つが、セリーナがもたらしてくれたパッションは、これまでの試合の中でも特別なものだった。本人はUSオープンへの出場を示唆していたが、彼女にはまだまだ夢を見せてもらいたい。

(画像=https://twitter.com/Wimbledon)