【ATP/テニス】チチパスはコーチから全く期待されていない選手だった?

 

ステファノス・チチパスの今シーズンの活躍は、目を見張るものだった。ローラン・ギャロスでグランドスラム初の決勝進出を果たし、さらにモンテカルロ・マスターズでも初優勝を果たすなど、一際強い輝きを放っていた。特にローラン・ギャロスでは、ノバク・ジョコビッチをあと一歩のところまで追い詰め、大舞台でも強いメンタルを持って十分に戦える実力を示した。

現在、チチパスは肘の手術を受け、来年1月の全豪オープンでカムバックすることを目指している最中だが、そんな彼のコーチを務めるパトリック・ムラトグルーがこの度、チチパスのプレーを初めて見た時の感想を自身のSNSで話していたので、それを紹介させていただきたい。

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彼は動画内で、以下のように語っている。

「私は彼を見ていて気になったから、側にいたコーチにチチパスのテニスについて意見を聞いたんだ。そしたら”彼は遅い。エネルギーレベルも低い。良いプレーもするけど、特別なことはしていないし、フィジカルレベルも低すぎる。将来的にトッププレーヤーになるとは思えない”という答えが返ってきたんだ。だから私はこのコーチに、”私はチチパスがすでに持っている素質や将来得られるスキルではなく、彼が今持っていないものに注目しているんだ“と返したよ」

チチパスは、2015年に初めてムラトグルーのアカデミーで練習をこなし、その後は既にコーチを務めていた父のアポストロスと共に、ムラトグルーを正式なコーチとして迎え入れた。ムラトグルーの指導を受けてからのチチパスの成長速度の早さは、今更ながら説明するまでもないだろう。また、ムラトグルーは動画内で、チチパスを初めて見た時の感想についても以下のように答えている。

「まず1つ目に、テニスのレベルは高いけど、改善の余地が大きいと感じた。ポテンシャルはとても高かったんだ。次に、チチパスは練習よりも試合の方が上手いと思った。これは、大成する選手たちが共通して持っている素晴らしい資質だ。更に、彼はフィジカルが弱かったが、そのうち上達するだろうという感覚と、彼のショットはそれなりだが、まだまだ良く出来るということを想像したね」

おそらく、チチパスが全豪に出場できたとしたら、肘の怪我からの回復度合いが大きな話題になるだろう。だが、彼の側には世界一のテニスコーチとも言われているムラトグルーがいる。かつてのレベルへ戻ってくることは容易だろう。チチパスの今後の活躍が楽しみだ。

(画像=stefanostsitsipas98)