ジョコビッチの元コーチが2017年の大スランプの原因について語る。「リハビリが終わらなくて焦っていた」

 

ラデク・ステパネクはかつて、元世界王者であるアンドレ・アガシと共に、ノバク・ジョコビッチのコーチを務めていた過去を持っている。そんな彼が先日、Express Sportとのインタビューで、来シーズンのジョコビッチについての展望と、ステパネクが彼を指導していた2017年シーズンのスランプの原因について興味深いエピソードを共有してくれた。今回はそれを紹介させていただきたい。

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ジョコビッチは今年のウィンブルドンで優勝し、宿敵ロジャー・フェデラーとラファエル・ナダルに並ぶ20回目のグランドスラム制覇を達成した。また彼は、サンプラスの6回という記録を抜いて、7度目の年末世界ランキング1位の座を獲得する事にも成功している。今シーズンの圧巻のパフォーマンスを受け、多くのテニスユーザーがジョコビッチをGOAT(史上最高の選手)と見なし始めているが、ステパネクはジョコビッチが2022年にGOATの地位を確固たるものにすると確信しているようだ。彼は以下のようにコメントしている。

「信じられないことだと思うけど、来年はジョコビッチが史上最高の選手の称号を得ると確信しているよ。彼はすべてのグランドスラムで歴史を塗り替えてきてるから、グランドスラム優勝回数の記録は単独で持っていたいと考えているはずだ」

また、インタビューの中でステパネクは、コーチングを務めていた2017-18年にかけてのジョコビッチの怪我と、スランプの原因についても明らかにした。

「肘を痛めていたあの時、ジョコビッチはキャリアで最も厳しい時期を過ごしていたから、僕がコーチングしていた7か月間はとてもタフだったよ。ジョコビッチは健康な状態でプレー出来なかったから、私たちはいつも妥協しなければいけなかった。そして突然、彼は肘の手術を受けることを決め、復帰時期を無理に早めてプレーを始めてしまった。リハビリがなかなか終わらずに、かなり焦っていたよ」

ジョコビッチは、2017年シーズンの大部分で肘の痛みに苦しんでいて、ウィンブルドンの準々決勝でトマス・ベルディヒ戦を途中でリタイアした後、そのままシーズンを終了した。翌シーズンの1月にジョコビッチが復帰した時も、肘の怪我の問題は解決されておらず、彼は全豪オープン敗退後に手術する事を選択し、しばらく苦しい時期が続いた。ステパネクとしても、コーチングの結果を出せずに悔しい思いをしていた事だろう。

地元セルビアのメディアによれば、現時点で来シーズンの初戦として予定していたATPカップをスキップする事は確実とされているジョコビッチ。来年の全豪オープンには出場するのだろうか?ステパネク含め、多くのテニスファンがジョコビッチが偉業を達成する瞬間を心待ちにしている。今は彼が1日でも早くコートに戻ってくるのを祈るばかりだ。

(画像=radek_stepanek)