世界一のテニスコーチとして名高いパトリック・ムラトグルーは先日、自身のSNSで、ラファエル・ナダルの成長した3つの変化について説明した。sportskeedaが報じている。
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ナダルの成長:早いペースのラリー
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ムラトグルーはまず、2005年の全仏オープンでのナダルを回顧し、球足の遅いサーフェスが得意だった彼が、速いサーフェスに適応するために改善した部分について語った。
「2005年、ナダルは初めてグランドスラムのタイトルを獲得した。彼は、ベースラインのはるか後方に立ち、すべてのショットにクレイジーなスピンをかけるという、独自のゲームスタイルで登場したんだ」
「ラファのゲームは、ますますアグレッシブになってきている。彼のキャリアの初期は、ベースラインから相手に長いラリーを強いることで試合に勝っていた。だけど今は、よりコートの内側に入り、ポイントを支配し、ラリーを短縮してエネルギーを節約しようとしている」
かつてのプレーと比べると、今のナダルはドロップショットやネットへのプッシュを積極的に行うことで、ハードコートでの高速プレーを有利に進めている。ムラトグルーにとっても、この点は高評価なのだろう。
ナダルの成長:サーブのステップイン
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続けてムラトグルーは、ナダルのサーブについても言及した。
「ナダルのサーブは、ポイントを取るための手段から、武器へと変わった。大きな変化のひとつは、体重移動の改善だ。昔のフォームと比べると、今の彼が体を前に投げ出していることに気づくはずだ。トロフィーポーズの位置も変え、肘を高くし、ラケットを背中の低い位置まで下げ、ムチ効果を高めているんだ」
サーブが弱点とされてきたノバク・ジョコビッチと同様に、ナダルもキャリアを通じてサーブのフォームを試行錯誤してきたタイプだ。その中でも、ステップインをフォームに取り入れたことは、彼のサーブに大きな変化をもたらした1つの要因だと言える。
ナダルの成長:スライスの多用
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最後にムラトグルーは、ナダルがショットのレパートリーにスライスを加えたことに注目した。
「全豪オープンの決勝では、彼がスライスを多用してメドベデフをネットに引きつけていたのを見た。ナダルはドロップショットも併用して、彼を疑心暗鬼にさせたんだ。彼がこういった変化をしていなかったら、今のような選手にはなっていなかったと思うよ」
ナダルのように、強烈なトップスピンを持っている選手が、ラリーにスライスを混ぜ込むと、対戦相手からすると厄介だ。選択肢を増やしたという面で、このナダルの成長はとても大きい。
(画像=@rafaelnadal)