フアン・マルティン・デルポトロのキャリアは、尊大な栄光と血と涙に満ちた苦労に満ち溢れていた。今回は、そんな彼の偉大さを再認識するために、キャリアを振り返っていきたい。
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デルポトロの伝説の始まり
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19歳だったデルポトロは、クレーコートのシュツットガルトとキッツビューエル、ハードコートのロサンゼルスとワシントンD.C.を通して23連勝を記録し、4連覇を達成した。グランドスラム初の準々決勝となったUSオープンではアンディ・マレーに敗れた。
デルポトロのハイライトであるグランドスラム優勝
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2009年の全米オープンでは、20歳にして初めてグランドスラムのタイトルを獲得した。ちなみに、それ以降の48回のメジャー大会において、23歳以下の選手が男子のメジャー大会で優勝したことはない。
デルポトロは、グランドスラムでラファエル・ナダルとロジャー・フェデラーを同時に破った最初の選手でもある。準決勝ではナダルを6-2,6-2,6-2で、決勝ではフェデラーを3-6,7-6(5),4-6,7-6(4),6-2で下した。デルポトロ以外では、ジョコビッチが、2011年の全米オープンで、この偉業を唯一成し遂げている。
また、デルポトロは、ビッグ3以外で7年半ぶりにグランドスラムのタイトルを獲得した選手としても有名だ。2005年の全豪オープンでマラト・サフィンが優勝してから、2012年の全米オープンでマレーが優勝するまでの間に、グランドスラムは30回開催されたが、ビッグ3はそのうち29回(フェデラー13回、ナダル11回、ジョコビッチ5回)優勝している。
加えてデルポトロは、ナダルとジョコビッチ以外で、グランドスラムの決勝でフェデラーを破った唯一の選手だ。フェデラーのグランドスラム決勝での戦績は20勝11敗で、その内訳はナダルに6敗、ジョコビッチに4敗、デルポトロに1敗となっている。
最もユニークな記録は、グランドスラムのタイトルを獲得した選手の中で、最も身長が高い選手(198cm)ということだ。その後、2014年の全米オープンでマリン・チリッチが、2021年の全米オープンでダニール・メドベデフが、それぞれこの偉業を達成している。
デルポトロのオリンピックでの成績
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デルポトロは2度のオリンピックメダリストだ。2012年のロンドンオリンピックでは、3位決定戦でジョコビッチを破り、銅メダルを獲得した。その後、2016年のリオ五輪では銀メダルを獲得したが、ジョコビッチとナダルを破った後に、決勝ではではマレーに7-5,4-6,6-2,7-5で敗れている。
デルポトロは自国にトロフィーを届けた立役者
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2016年のデビスカップで、デルポトロは、アルゼンチンを初優勝に導いた。準決勝では2セットダウンからマレーを6-4, 5-7, 6-7 (5), 6-3, 6-4で破り、決勝では2セットダウンから4分53秒でチリッチを6-7 (4), 2-6, 7-5, 6-4, 6-3で破った。壮絶なこの2戦は、長い歴史が続くデビスカップの中でも、クラシックマッチとして讃えられている。
デルポトロの最後の輝き
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2018年シーズンは、デルポトロの最後の栄光が垣間見えたシーズンだった。インディアンウェルズでは、自身初のマスターズ優勝を果たし、全米オープンでは、グランドスラムで2度目の決勝進出を遂げている。8月には、自己最高ランクとなる3位を記録し、世界に向けて実力を見せつけた。
ちなみに、デルポトロは、グランドスラムで決勝に初めて進出した2009年から、2回目のグランドスラム決勝進出となる2018年までのストロークで、ツアー記録を持っている(この間に開催されたグランドスラムは21回)。
(画像=delpotrojuan)