ベッカーがメンタルヘルスについて語る「私が現役の頃はソフトだと馬鹿にされた」

 

テニス界のレジェンドであるボリス・ベッカーが、RTVEでのインタビューで、2022年のこれまでの出来事や、ローレウス賞の候補、プロスポーツ選手のメンタルヘルスの重要性などについて語った。puntodebreakが報じている。

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ベッカーはまず、スポーツ界のアカデミー賞として名高いローレウス賞に、ノミネートされているジョコビッチについて、独自の見解を述べた。

「ジョコビッチは2021年シーズンに、4つのグランドスラムのうち3つを制し、USオープンでは年間グランドスラム達成まで、あと一歩のところまで到達した。そのため、数週間前のオーストラリアでの不運を思い出しても、彼はローレウス賞の候補の一人として値すると思う」

「ワクチン接種は、ローレウス賞にとって重要な問題ではない。ワクチンを打つか打たないかは個人の自由だが、私たちが評価するべきは、2021年シーズンの彼のパフォーマンスそのものだ」

続けて話題は、そのままラファエル・ナダルの全豪オープンのタイトル獲得へと移った。

「ナダルは、彼がファイターであり、チャンピオンであり、非常に複雑な決勝戦を制した素晴らしい人格者であることを改めて示した。彼は今、歴史上最も成功したテニスプレーヤーだ。数週間前には(グランドスラム最多タイトル獲得者が)3人いたのに、今は1人しかいないのは、驚くべきことなんだ」

「このことは、ジョコビッチとフェデラーにも影響するはずだ。ナダルが次のローラン・ギャロスの大本命になるはずだから、2人ともグランドスラムをもう1つ、あるいは2つ獲得したいと思っているのではないかな」

さらにベッカーは、自分の現役時代と重ねて、選手たちのメンタルヘルスについても答えた。

「若い選手たちが、競争のプレッシャーに対処するために抱えている問題について、心を開いて話すことは良いことだと思う。私の時代には、このような話をするとソフトだと言われ、力不足だと舐められたが、今はそうではない」

「メンタルヘルスの問題は本当に深刻で、世の中、すべてがそう簡単にはいかない。テニスコートはとても孤独な場所。たとえチームが後ろにいたとしても、あなたは一人だ。時には、肩に背負っている世界が非常に重くなることもあるから、精神的な健康を保つためには、それを話す相手がいること、そして、もう十分だと言うべき時を、知ることが重要なんだ」

ベッカーが現役の時は、メンタルヘルスの問題について、世間的な意識が低かったが、現在はSNSの発展もあり、選手たちの健康問題を守ることは、キャリアを守ることにも繋がっている。テニスファンたちのリテラシーの向上のためにも、ベッカーのようなレジェンドがこういった声を上げるのはとてもプラスなことだと言えるだろう。

(画像=borisbeckerofficial)