先日に行われたATPチャンピオンズツアーでは、ファンの前で元気にプレーする姿を再び見せたトマーシュ・ベルディヒ。ウィンブルドンのファイナリストでもある元世界4位の彼だが、2019年のUSオープンを最後に現役引退。まだ前線で戦える余力を残しての引退だったため、当時は早すぎるリタイアだとメディアから報じられることも多かったが、ベルディヒにとっては自身のキャリアに不満はないそうだ。puntodebreak.comが報じている。
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引退した時の心境について、ベルディヒは以下のように語った。
「私は、一度決めたことは取り消さないタイプの人間だ。だから、自分の引退する判断が正しかったかどうかなんて、疑問に思ったことはないよ。ある朝、目が覚めて、これで終わりだと自分に言い聞かせたんだ。長い間、ストイックに自分を追い込んじゃうと、テニスは楽しめなくなるから、34歳で引退することを決意しただけだ。」
また、自身のキャリアに満足しているかどうか聞かれたベルディヒは、次のようにも答えている。
「もっと力を発揮できたのではないか?という試合もあったけど、それを恥じることはない。逆に、自分の限界を超えるような試合の方が多かった。例えば、2010年のウィンブルドン2回戦で、イストミンに1-2のリードを奪われていた時は、お腹の調子が悪くてリタイアすることも考えていた。でも、ウィンブルドンは僕にとっても特別なトーナメントだ。我慢強く試合を続行して、なんとか勝つことができたよ。その後は結果的にフェデラーとジョコビッチも倒して、準優勝できたしね。自分のキャリアは素晴らしいものだったと胸を張って言えるよ。」
恵まれたフィジカルを活かし、長い間世界ランクトップ10を維持し続けていたベルディヒ。ツアーの中には好不調の波が激しいタイプの選手も多いが、彼はその真逆のスタイルであり、現役時代は常に安定した試合運びをしていた。そんな仕事人気質な彼に、憧れを抱いた人も多いだろう。叶うのであれば、指導者としてツアーに戻ってきてもらいたいものだ。
(画像=@tomasberdych)