【マイアミOP】キリオスに警告を与えた主審ベルナルデスの迷ジャッジ3選

 

2022年マイアミ・マスターズの4回戦、ニック・キリオスとヤニック・シナーの試合で、この試合の主審を務めていたカルロス・ベルナルデスが、怒りに任せてラケットを地面に何度も叩きつけたキリオスに、ゲームペナルティを与えたことが話題となっている。この2人の衝突は試合後にも尾を引き、後にキリオスは記者会見と自身のTwitterでベルナルデスを批判した。

「誤解しないでくれ。俺はシナーを心から尊敬している。 彼は自分の好きな選手の一人で、今日の試合はとても素晴らしかった。俺は、この試合をジャッジする能力が不十分な審判を対象にしているんだ。冗談だろ」

この事件に関しては、様々な意見が飛び交い議論がされているが、これを機に海外メディアで、ベルナルデスの物議を醸した過去のジャッジに再び注目が集まっている。そこで今回は、ベルナルデスと確執があることで有名な、ラファエル・ナダルとの間に起きたストーリーを3つほど紹介させていただきたい。

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1.ナダルVSベルディヒ(2010年ATPツアーファイナル)

2010年ATPツアーファイナルズのグループステージで、トーマス・ベルディヒと対戦していたナダルは、ラインコールを巡ってカルロス・ベルナルデスと口論になった。

第一セットの5-6, 15-15で迎えた長いラリーで、ベルディヒはベースラインの奥にボールを打ち込んだが、ベルナルデスはこれをオーバーコールでアウトと判定。プレーは止まった。

しかし、ベルディヒがこのジャッジにチャレンジを行い、それがまさかの成功。ベルナルデスはベルディヒにポイントを与えた。そして、このジャッジにナダルは激昂した。なぜならば、この時ナダルはちゃんとボールを返球しており、通常であればポイントのやり直しがされるべき展開だったからだ。ナダルは当時、以下のように主張している。

「バカバカしい。あなたはアウトと言ったんだ。僕のボールは入っていたんだ。返したんだ。ちゃんと試合を見てるのかカルロス?こんな状態で僕はプレーしたくない」

ナダルの抵抗も虚しく、ベルナルデスがジャッジを覆すことはなかった。結果としては、ナダルが7-6(3),6-1でベルディヒを下している。

2.ナダルVSククシュキン(2018年ウィンブルドン)

2018年ウィンブルドンの2回戦で、ナダルはミハイル・ククシュキンをストレートで破ったが、この試合で彼は、ゲーム開始前にベルナルデスからタイムバイオレーションを取られている。

バイオレーションを取った理由としてベルナルデスは、ナダルがウォームアップを終えて、第1ゲームを始めるまでに時間がかかりすぎたと主張した。第2セットと第3セットの間にも、同じバイオレーションが取られた。

ナダルは複雑なルーティーンをいくつも持っており、プレーを開始するまでに時間がかかるタイプの選手として有名だが、興味深いことに、この時のナダルはバイオレーションを素直に受け止めている。

「タイムバイオレーションを受けるほど遅かったのは事実だ。僕は素直に受け入れたよ。試合中はそれなりに速かったと思うけどね」

3.ナダルVSフォニーニ(2015年リオ・オープン)

ナダルとベルナルデスの最大の争いは、2015年のリオ・オープンで起こった。ナダルはこの試合で、ウェアのズボンを間違えて前後に履いていたことから、ベルナルデスにコートの外で着替えることを許可するよう要求した。

しかし、ベルナルデスはこの要求を拒否し、ナダルにコート上で着替えるよう要求したのだ。これには、普段は温厚であるナダルも激怒し、口論へと発展した。

この時のナダルはかなりの不満を抱えたようで、ATPへ苦情を申し立てて、ベルナルデスが二度と自分の試合の審判をしないように要求すると彼を脅した。

「言わせてくれ。もう二度とあなたにジャッジをお願いしたくない。あなたは、ツアーの中で、最もプレッシャーを与える審判だ。あなたに恨みはないけど、もうたくさんだ」

(画像=@carlos___bernardes)