格式高いテニスの歴史の中では、いくつものドラマと共に、何人も時代を代表する名プレイヤーが誕生してきた。今回は、その中でもトップの勝率を誇る10人の選手たちを紹介させていただきたい。
【関連記事】グランドスラムの歴代最長タイブレークTOP7【1位はあの超有名ビッグサーバー】
10位 ボリス・ベッカー (76.9%)
この投稿をInstagramで見る
6度のグランドスラム・チャンピオンは、キャリアを通じて合計927試合に出場し、713勝214敗を記録している。
ベッカーのタイトル内訳
カーペット:26タイトル
ハードコート:16タイトル
グラスコート:7タイトル
キャリア合計:49タイトル
ベッカーは、グラスコートで226勝25敗(勝率82.3%)を残しつつ、ハードコートでの勝率も77.4%を誇り、全豪オープンで2勝、全米オープンでも1勝している。
さらに、トップ10の相手に対する勝率は歴代3位で、121勝65敗を記録している。1994年のマスターズ1000のストックホルム・オープンで、世界ランキング3位のマイケル・スティッチ、1位のピート・サンプラス、2位のゴラン・イワニセビッチを破り、男子選手として初めてランキング上位3人を連続で破ったことは今でも語り草だ。
9位 ピート・サンプラス (77.4%)
この投稿をInstagramで見る
『ピストル・ピート』の愛称で知られるサンプラスは、キャリアを通じて984試合を戦い抜き、222敗に対して762勝という素晴らしい成績を収めた。グランドスラム優勝回数歴代4位(14個のタイトル)を誇る彼は、あらゆるサーフェスで常に高い勝率をキャリアをキープした。
グランドスラムでは84.2%という高い勝率を誇り、これは歴代13位の数字だ。また、64個のキャリアタイトルの半分以上がハードコートでのものであり、同サーフェスでの勝率は80.6%という驚異の数字を記録している。
しかし、意外なのは、ウィンブルドンで7度の優勝経験があるにもかかわらず、芝コートでの勝率は83.5%と、歴代トップ15圏外にとどまっている。
8位 ロッド・レーバー (79.8%)
The hard courts suits Medvedev’s game but history
— Rod Laver (@rodlaver) January 30, 2022
may be on the side of Rafa Nadal tonight. Good luck to both players, here’s hoping for another classic AO men’s final between two phenomenal champions. Norman would be very happy! 🚀 pic.twitter.com/p3YQoa8uy2
生ける伝説と例えられるレーバーは、キャリアの中で722試合をこなし、59個のタイトル、11個のグランドスラムタイトルを獲得し、1962年と1969年には年間グランドスラムという快挙を達成している。
レーバーは、オープン時代以降に年間グランドスラムを達成した唯一の選手であり、この記録はBIG3ですら破ることができていない。レーバーの輝かしいキャリアは、通算576勝146敗という数字を残している。
7位 イワン・レンドル (81.5%)
この投稿をInstagramで見る
『マシン』と呼ばれる精密なプレーで、94個ものタイトルを獲得したレンドルは、キャリアを通じて1310試合に出場し、1068勝242敗という記録を残している。
レンドルのグランドスラム初タイトルは、1984年の全仏オープンで獲得した物であり、決勝でジョン・マッケンローを相手に2セットダウンからの大逆転劇でもぎ取った勝利だ。
ローラン・ギャロスで3度の優勝を誇るレンドルは、クレーコートでの勝率が81%と歴代3位である。また、ハードコートでの勝率も82.6%の高水準であり、歴代4位につけている。
6位 ジョン・マッケンロー (81.7%)
.@JohnMcEnroe @JohnMcEnroe
— Netflix Is A Joke (@NetflixIsAJoke) August 26, 2021
having twitter not following me pic.twitter.com/rgwFKmOIrm
“悪童”マッケンローは、1081試合のキャリアで883回勝利し、その間に7つのグランドスラムを制覇した。マッケンローの統計は極めて安定していることで有名であり、トップ10相手の勝率、タイブレーク勝率、ハードコートでの勝率は全て歴代トップ10に入っている。
特筆すべき点はインドアでの勝率だ。彼の勝率は歴代最高(85.3%)を誇り、他の追随を許さない。しかし、それと比較すると芝とクレーでの成績はトップ10圏外に終わっており、少し物足りない。ウィンブルドンを3回制覇した経験のあるマッケンローは、グラスコートでの勝率が歴代11位となっている。
またマッケンローは、全仏オープンを制したことがなく、クレーコートではキャリアを通じて4つのタイトルしか獲得していない。勝率は72.1%で歴代24位につけている。
5位 ジミー・コナーズ (81.8%)
Qui a le plus de victoires sur l’ATP Tour ?
— Flashscore.fr (@FlashscoreFR) March 22, 2022
1️⃣ Jimmy Connors – 1274
2️⃣ Roger Federer – 1251*
3️⃣ Ivan Lendl – 1068
4️⃣ Rafael Nadal – 1048*
5️⃣ Novak Djokovic – 991*
6️⃣ Guillermo Vilas – 951
7️⃣ Ilie Nastase – 908
8️⃣ John McEnroe – 883
9️⃣ Andre Agassi – 870
🔟 Stefan Edberg – 801 pic.twitter.com/FcjnLNqAcX
先述したマッケンローの長年のライバルとして記憶されているジミー・コナーズは、”悪童”を抜きランキング5位にランクインした。コナーズはATPツアー史上最多の1,557試合に出場し、1274勝を挙げており、このリストでは最多の出場数となっている。また、キャリアタイトルも109個とATP史上最多を誇っている。
しかし、コナーズは全仏オープンで優勝したことがなく、準決勝に4度進出したのみである。クレーコートでの勝率は76.8%で、歴代11位にランクインしているだけに、出場しなかった期間(1974年から1978年)が存在したのが痛い。
4位 ロジャー・フェデラー (82%)
この投稿をInstagramで見る
テニス界のGOATとして挙げられるフェデラーは、1526試合に出場し、1251勝275敗を記録している。グランドスラムで20回優勝している彼は、タイブレークの勝率が65.4%と史上最高の勝率だ。
クレーコートでの勝率は76.1%で歴代13位、パリでの優勝の他に10個のタイトルを獲得していおり、ハードコートでの勝率は83.5%、トップ10相手では64.6%でトップ5に入っている。
興味深いのは、芝の王者と言われているフェデラーが、グラスコートでの勝率は86.9%でトップ5から外れているということだ。
3位 ビヨン・ボルグ (82.4%)
— best of björn borg (@bestofborg) January 2, 2022
このリストで最も少ない794試合という出場数に終わったボルグは、グランドスラムの決勝でマッケンローとコナーズの2人にしか敗れたことがない。
特に面白いのは、トップ10相手に71.3%の勝率を残していて、これは歴代最高の成績だ。また、グランドスラムでの勝率も89.2%と、歴代3位につけている。さらに、決勝での勝率71.7%も模範的で、歴代7位を獲得している。
また、『The Ice man』のニックネームにふさわしく、冷静な試合運びもスタッツに現れている。彼のキャリアにおいて、33回戦った5セットマッチのうち、負けたのはたったの6回だけだ。
2位 ノバク・ジョコビッチ(83.2%)
この投稿をInstagramで見る
セルビアが生み出した絶対王者であるジョコビッチは、キャリアを通じて1191試合に出場し、991勝200敗を記録している。また、第1セットを失った後の勝率(44%)、トップ10相手の勝率(68%)でも歴代2位を誇っている。
ジョコビッチの86個のATPタイトルのうち62個、20個のグランドスラムタイトルのうち12個がハードコートでのもので、ハードコートでの勝率は84.2%と過去最高の数字を叩き出している。さらに、クレーコートではトップ5(80.5%)、グラスコートでは13位(85%)と、マルチな適応力も彼の魅力だ。
1位 ラファエル・ナダル (83.3%)
この投稿をInstagramで見る
堂々の1位にランクされたのは、“赤土の王者”ことラファエル・ナダルだ。全仏オープンでの13回の優勝から分かる通り、クレーコートでの勝率は91.5%と、そのニックネームに恥じない成績を残している。ちなみに、91.5%という数字は、2位のボルグを5%以上、3位のレンドルを10%以上も上回っている。
しかし、ウィンブルドンでは優勝を2回経験しているにもかかわらず、勝率78%で45位にランクされている。ここまでサーフェスで勝率の違いが生まれる選手はそういないだろう。
(画像=djokernole)